「6NC連携レジストリデータ利活用促進事業」について
医薬品研究開発に係るコストの低減や期間の短縮を目的として、疾患登録システム(レジストリ)データを二次利用した研究開発のニーズが高まっています。しかしながら、レジストリのデータを二次利用する上での研究倫理、レジストリ情報の可視化・リスト化、薬事に求められるデータの品質の確保、そして費用負担のあり方などの課題整理が求められています。
厚生労働省は、これまで、レギュラトリーサイエンスに基づいて、疾患登録情報を用いて効率的な治験ができる環境を整備することにより、国内外のメーカーによる国内臨床開発を加速し、新薬等の早期開発により国民の健康寿命を延伸することを目指すクリニカル・イノベーション・ネットワーク(CIN)構想を進めてきました。レジストリは、患者の把握、臨床研究・治験へのエントリー、治験対照群、市販後安全対策等、様々な目的の用途で、医薬品等の治験・臨床研究の推進への貢献が期待されています。しかしながら、大学、NC、学会、研究グループなど様々な組織が独自に運用を行ってきており、情報の集約や、知見の蓄積が難しく中央支援機能の必要性が認識されています。
6NCは、これまでにも質の高い複数のレジストリを構築し、研究や政策の提言を行ってきました。そのため、レジストリに関する種々の知見と多くの専門家を有しており、中央支援機能を担うための一定の資質を有しています。レジストリ情報の集約や知見の蓄積は継続する必要があることから、組織の継続性を考慮すると、NCは大学等よりも中央支援機能を担うに有利な点があります。また、レジストリは多様な疾患を対象としており、6NCは専門とする疾患分野がそれぞれ異なることから、6NCが連携してレジストリ中央支援機能を担う体制が望ましくこの事業が行われています。